オオカミの話によると、ここは人生二回目に来る世界で・・・つまりもうボクは一回目の世界の者じゃないってこと。

ボクは死んだんだ


死んだボクの魂は丁度よくこのオオカミに拾われたって訳。
毎日夜中の12時を過ぎると、地獄者がさ迷う魂を連れ去りに来るらしい。


地獄はマンガみたいなマグマとかある訳でもなく、ただ暗いんだ。
真っ暗な闇の中、何も見えない所をたださ迷うだけ。

なんの目的もなく行き場もない魂達は、やがて疲れはてて、心の中に恨みと憎しみ、苦しみなどの闇の心が生まれ始める。


そして闇の世界と心の闇が共鳴して、自分の叶えられなかった夢を叶えに闇に包まれた体を引きずりながら人間界・・・つまり自分の故郷に戻る。

だが、その夢を叶えられたとしても何処かに行ける訳でもなく、ただその世をさ迷うだけ・・・

孤独との闘いの中でどんどん闇の心は大きくなってゆく・・・