中から出て来たのは、色々な医療機器に繋がれた颯矢とさっきの先生。



先生の顔は…暗い。



「あ…の、颯矢、は」


震える。

震える。



どうしても震えてしまう、声。



「…おそらく今夜が峠でしょう。目を覚ますかどうかは…」



そう言い、先生は頭を下げて去った。


ピッ、ピッ



と機械音が聞こえる中、私は溢れそうになる涙をこらえる。


まだ泣いちゃだめ。


まだ諦めちゃだめ。


颯矢が起きたときに笑顔でいなきゃいけないから。