…ナースコール!!



私はどうして今まで気付かなかったのだろうと悔やみながら、ナースコールを連打した。


「お願い、早く」


そして先生が来るまで、そっと颯矢を抱きしめて背中をさする。



「ゴホッう、…………」


いきなり、颯矢の咳が止まった。



「え…そ、颯矢?」



私が颯矢の顔をのぞき込んだとき…颯矢は気を失っていた。



「そ、うや…ねぇ颯矢」


「どうされました!?」



私は…その時、この病気の重大さに、恐さに、気づかされたんだ。



まだ颯矢は暖かいのに…


まだいるのに…


もう私は何も考えられなくなった。