だんだん、…私の視界がぼやけてくる。




「…望美」



後ろから抱きしめられた私は…目に溜まる涙をこらえる。


ふわりと香る、颯矢の匂いに…じわじわとこみ上げてくる涙。




「望美、ありがとう」




颯矢…あなたは私で、いっぱいになることが出来ましたか?




「颯矢…」




ここは


とある病院の外のベンチ