人魚になったあたし。




智に言われたとおり、一段一段、踏み外さないようにしっかり降りた。


薄暗やみのなかのライト。

いきなり目に飛び込んできた明かりに目を細める。


「ライブは始まったばっかだ!」




狭い視界に、うつりこんだ、こちらを向いている智。

まだ耳が慣れない大爆音を背景に、にやりと笑っていた。