希望の星

悠君に手を取られ、エレベーターに駆け込む。



小さな箱に閉じ込められた気分だった。



三階につくまで、2人だけの、密室の部屋の中で、居る事になる。



あたしはドキドキが止まらない。



きっと、心臓の音、悠君に聞こえているかもしれない。



突然、あたしは妄想してしまった。例えば―――



急に、エレベーターの電気が消えて、真っ暗になって、



2人だけの密室の部屋に閉じ込められてしまう。



前が真っ暗で、何も見えなくなって。



救出されるまで、何時間も時間がたって、あたしだったら、もうないていると思う。




スリル満点のエレベーター事故。



あたし的に、ベタ。



「明日香?」



悠君の一言ではっと顔を上げた。



「もう着いたけど・・・大丈夫?」



「う、うん・・・!」



やはり、この時も悠君に手を取られて、「こっち」と、あたしを引っ張った。