何故だろう…。

私は期待してしまった。

時間が存在する限りこの世に永遠など訪れない。
神様によって決められた秩序。
それは誰に教わるわけでもなく自然の中で身につけて行く事なのに……。


もうすぐ私の高校生活が終わる――。
夢のような時間が本当に夢へと戻ってしまう時がすぐそこまで迫っていた。



始まっていたカウントダウンが残り5を示したのは、本当に突然だったんだ……。


「ぇ…。アカネ…東京の大学受けるの?」

高校3年の12月中旬。
後一週間もすれば高校生活最後の冬休みへと突入する今日この頃。
アカネの口から予想外の発言が飛び出した。
放課後の教室に2人きり。
双方黙り込めば辺りは静寂に包まれる。

「うん…。ごめんね、黙ってて。何か言い出しにくくてさ。」

苦笑を浮かべ帰り支度を整えるアカネ。
私は呆然と立ち尽くすしかなかった。



来週末までに提出しないといけない大学の願書。
将来の希望がハッキリと決まってるわけじゃなかった私はアカネと同じ大学に行くつもりだった。
だから一緒に願書を取り寄せようと声をかけたのが事の発端――。