私、宮原アキが産まれてもうすぐ22年。
家族に愛され沢山の思い出を胸に今日を迎えることが出来た。
アルバムには数えきれない程の写真が並び、それは全て【過去】として私の人生の一部となった。

本当…、もっと思い出を作っておけば良かった。


【私の記憶】ただそれだけじゃ…余りに不確かで曖昧で…。
私が何もかもを忘れてしまった時、ミウとハルが存在していた事を立証出来るのだろうか。
同じ時代を生き愛し合っていた全てを【現実】だと認める事が出来るのだろうか。





「――はい、終了!!じゃ、30分休憩の後もう一回通すから。ぁ、あきっぺと佐倉は制服の寸法合わせあるから休憩15分ね。」
「はーい。」

私とアカネは声を合わせて返事をした。
が、すぐにお互いがお互い背中を向け違う友達の輪に溶け込んでいく。
学祭まで10日を切った10月初旬。
他学年は明後日から中間試験が始まる為、3年生が体育館の全使用権を得ていた。
各クラス最終チェックに抜かりがない。