人一倍正義感が強くて曲がったことが大嫌い。
友達思いで…そのくせ学校をサボるのは常習犯の怠け者。
試験前は諦めたかのようにカラオケに直行して次の日のテストはほぼ白紙。
生徒会の仕事を一生懸命こなしながらも暇さえあれば落書きに没頭し…。
ノートを取り忘れて慌てて私に借りに来る。

真面目なのかふざけてるのか…。
しっかりしてるのかいい加減なのか…。
正直良く解らないが存在感だけはクラスで一番強かったのかもしれない。

これが私の知る【アカネ】の全て。

私の憧れた…たった一人の親友の全てだった。



「で、明日は始業式で学校お昼までだしカラオケ行かない?」
「あぁ…、うんとね…。」

高校3年の夏休み最終日。
私はアカネを含めた友達数人と夏休みの宿題に追われていた。
誤解が無いように言っとくけど…私にだって一緒に遊びに行く友達くらいいる。
その証拠に今だってカラオケに誘われているのだ。

私は曖昧に返事を濁しアカネを盗み見た。