……幾度となく呟いた。

逢いたい…。
寂しい…。
どうして…。
嘘つき…。

苦しみだけが私の記憶を支配していた。


嬉しかった事、幸せだった事、ハルを愛していた事。
何もかもが私の心を蝕み生きる事ですら放棄しかけていた今から2年前の冬。

私は1人の青年に出会った。



丁度、私が大学1年生の頃……。


それは……私が【ミウ】として生きると決めた事を象徴しているかのようだった。
【ミウ】は【ハル】に愛される為だけに存在する。


……彼の名前は、ハルキ。

通称【ハル】



「なぁ、アキって…俺が何人目の男?」
「はぁ!?」

私は隣から聞こえてきた問いに呆気に取られ深い溜息をついた。

「…普通さぁ…初めてのSEXの後にそんな事聞く?」
「いや、何か慣れてる感じがしたからさ。」
「……ついでに言わせて貰うけど、その発言も女性に対してかなり失礼よ。」

…これだから男は嫌いだ。

ベッドに横になった私は彼に背を向ける形で瞳を伏せた。
デリカシーの無さに思わず失笑してしまう。