禁忌……。

それは忌み嫌う行い。
神に背く行い。
道徳に反する行い。

どの辞書を調べても上に記された以外の内容は書かれていなかった。
ミウとハルにとってこのキスは幸せな未来への幕開け。

だけど……

アキとアカネにとってこのキスは…何を意味するのだろう。



「…………一睡も出来なかった。」


朝起きてまず最初に確認したのは目の下のくまだった。
寝不足デス…と、包み隠さずオープンな自分の姿が情けなくて泣けてくる。
アカネとどんな顔して会えばいいのか一晩中考え抜いたのに答えは見つからなかった。



――キス、したんだよね。



1秒……、いや、10秒……。
もっと長かったかもしれない。
初めてのキスは想像していたよりも遙かに神聖で……背徳を帯びていた。
夢か現実かの区別さえ出来ないほどの高揚感。
魚が水を得るかのようにそれは心地よく私は意識を失いかけた。