雨が降る朝は嫌いだ。
初めて彼女に……ううん、彼に出会った日を思い出すから。
アカネ、アンタは私を好きだった?
ハル、アンタは私を愛してた?


――錆び付いた時は、心に焼き付いたアンタの残像を手繰り寄せ私に囁く。


――もう一度あの頃に戻れるはず、と…。






夢現な中、私は微かに差し込む光に邪魔され目を覚ました。

「ぁー、頭痛っ…。
飲み会も3日続けば嬉しくも何ともないな。」

大学4年の春、私はそれなりに充実した毎日を過ごしていた。
卒業に必要な単位も取り終え、就職先も内定を幾つか貰い後は論文を書き終えるだけ。
まさに理想を絵に描いたような大学生活をもうすぐ終えようとしてたわけだが…。

ここ1週間、連日連夜飽きもせず続けられる飲み会に頭を悩ませていた。


【友達付き合い】

と言ってしまえば聞こえはイイけど…。
何かと理由を付けて飲みたいだけでしょ、皆様。

社会に出た時の為に社交性を養うことは確かに大事だと思う。
でも、……彼等は何も埋めてはくれない。