「ん~やっと部活終わったぁ」



汗でグチャグチャになっていた髪を洗って、大きく伸びをした。

あたしの名前は石原羽菜。高校3年生。

体を動かすのが好きで、小学生の頃からやっていたバスケ。

それを今でも続けていて、負けず嫌いで責任感の強いあたしは女子バスケ部の部長を務めている。



隣にいる友達で同じ部活の紗有の方を見ると、ウズウズしている。

……?

そのいつもと違う様子に気付いて首を傾げていると、紗有はあたしにいきなり抱きついてきた。



「水が滴る羽菜!超格好いい!!」


「え!?」



これが日課。

はっきり言って、格好いい……とか。結構複雑。

だって女の子だったら、可愛い。の方が嬉しいでしょ?

女なのに格好いいって言われてばっかのあたしって……。

紗有は身長155センチしかなくて、小柄で可愛いしさぁ?

あたしなんて身長172センチ……。

あたしも小さかったらなぁ。

紗有みたいに可愛い女の子になりたかったなぁ。

バスケなんかやってたからいけなかったのかなぁ。

でも紗有だってずっとバスケやってるしなぁ……。

そこはやっぱり関係ないのかなぁ?



「あたしももっと身長大きかったらなぁ」



そう言って紗有は羨ましそうにあたしを見上げる。

いやいや……。嫌味にしか聞こえませんよ。

絶対小さい方がいいじゃん。



あたしは紗有を睨んだ。



「大きすぎても損する事ばっかだよ」