トランプ帝国記

そしてだいぶ落ち着いてきたとき、リアは自分を客観的に見ることができた。


自分は、スペード国に逃亡してきた身なんだということを。


そして自分が泣きじゃくる隣でじっと待っている男に申し訳なく思えた。


だがそれを素直に言えるリアではない。


「…私を…この国にいれたこと、問題にならないの?」


そろそろ話せるかと待っていた男は、やっとリアの顔を見て少し微笑んだ。


「それは俺の仕事だ。心配しなくていい」








翌日、王宮の広間に男は跪いた。


頭を下に向けると目に入るのは紺のカーペットで、それは細長くKとQの座る壇上へと延びていた。