外はもう、うっすら暗くなりかけていた。




―――翌日。


2時限目の後の休み時間。


れんげはさきとクラスメイトと喋っていた。


喋りながらも、昨日の不思議な本のことが頭から離れなかった。


(何で落ちてきたんだろ。風、かなぁ…)


ふと小声でさきが、


「れんげ、今日でしょ?返事するの」


「え…?ああっそういえばそうだね」


「何それっ大丈夫?」


半笑いのさきが心配そうな顔をした。


(そうだった。本のせいでどっか忘れてた。今日の放課後だったっけ、沢田くんからの告白の返事)


断る気も付き合う気もなくはっきりしないままだった。


そして放課後―――。


空が赤と黄色の絵の具をたらし、この学校の校舎も、そこから見える見慣れたいつもの景色も夕日色に変えた。


今日は混ぜる赤色が多かったようす。


おかげでれんげの顔も真っ赤に染まった。


そう思ったらなんだか緊張してしまう。


図書館の入り口に立ち、一息おいてからドアに手をかける。


(こんなに重たかったっけ?)


もう先に来て待っているんだろうと思いながら少しずつ右に引き、中の様子をのぞいてみる。