(やっぱり普通そうなるよね…)


「まぁ、別にそれでもいいんだけど、別に嬉しくはないし」


特に困っているわけでもなく話すれんげに、


「…ふぅーん。あんまり乗り気じゃないんだ」


と、つまらなそうにさきが返す。


「返事は?」


「明日の放課後、図書館だって」


「今どき図書館って…。はっきりしときなよ?」


そこでチャイムが鳴り、話は終わった。



別につきあってもどっちでもいい。相手がそうしたいならそれで。 

ただつきあったってどうせあんまり会えないし、そのうち冷めてくのがおち。


だったら断った方がいいんだろうか…



キーンコーンカーンコーン



放課後を知らせる校内アナウンスがながれる夕方の図書館。


れんげはこの時間ここに来るのが好きだった。


(沢田くんは知ってたのかな…?


外の遠くの方を見ながらボーっと窓に近づいていく。


そしていつも思う。自分はこれでいいんだろうか、と。


流されるまま生きていて“自分”だって言えるのかと。


でも“れんげ”から出てくる答えはいつも同じ。



=正しい道。



―――これは本当の答えじゃない。