トランプ帝国記

「久しぶりですね。


フェイ、リア、キアー君？」


喋り出すと男の顔から急に怖さが無くなる。



さっき感じた嫌な気配は気のせいだったんだろうとれんげは思った。


「クロードさん、世話になります」


フェイが一礼する。


するとまた男かられんげに目線が向けられる。


「この子ですね？フェイが間違って呼んだとのいうは」


「…はい。れんげといいます。」


フェイがチラッとれんげを見て紹介する。


「れんげ…。」


そうつぶやくと男は微笑んでれんげに握手を求めた。


登場とは全く違う親しみ安さに、呆気にとられたれんげは、自然と右手を出す。


「クロード・Ｓ（シャンク）ウォルターズです。」


クロードは名を名乗ってから手を話し、


「フェイ、彼女に私のことを？」


とフェイに紹介するよう促した。


「あっ？いえ、まだ…」


何か考えていたようで、クロードの話が伝わるのが少し遅れる。


「クロード・Ｓ・ウォルターズ。


クラブのＪだ。


帝王に一番近しい部下。

もともとスペード国の生まれで、俺の剣術の師匠。」