愛想のない男は少し離れた机にもたれて腕を組んでいる。


ショートの髪の女は二人を見て少し驚いた様子で話す。


「話はすんだのね。で、結局連れて行くの?」


女は心配そうにフェイを見る。


「…ああ。今はまだ安全とは言っても、勝手に呼んでおいてここに置いていくのもできないしな」


男がはっと呆れた後、眉間にしわを寄せてフェイとれんげを睨む。


「冗談じゃねぇ。何で必要ない女を連れてくんだぁ?足手まといだ」


女は振り返って口の悪い男を叱る。


「とにかく危ないわ。何があるかわからないし」


ただこうするしか他ないれんげは、おどおど二人を交互に見る。


何を言われても表情を変えないフェイに男がもう一言。


「第一、クロードが良く思うわけないんじゃねぇのか?」


この言葉でフェイもきくだろうと男は薄笑いする。


「残念ながらクロードは了解してるよ、キアー。」


チッと舌打ちして男は向こうを向いてしまった。


女もそれなら仕方ないと、緊張した肩から力を抜く。


「心配するな。俺がそばにいる。」


そう言ってフェイが横に隠れているれんげをチラッと見る。