だって、
淨弥君にまだ
伝えてないのに、
――他の人に、
伝えたくない。
あたしの答えを聞き、宇津井は嬉しそうにふにゃと笑い、
「そっか!…へへ」
赤く染まってる頬を掻いた。
「このあと、俺の部屋来いよっ!」
宇津井は笑いながら、あたしの頭をポンと叩いて、楽しそうに行っちゃった。
俺の部屋に、
来いよ!!??
「な、なななんでー!?」
だ、あ、あたしは、
淨弥君に言われたのに…。
…この後、来てって…。
…いっぺんに、二人にそう言われても…。
「…どうしよう…」
淨弥君を断りたくない。
でも宇津井を断るのは悪い。
あたしって欲張りなのかも…。
いったん、部屋に戻るか。



