「佐田先生が言ってたろ?今日、星がよく見えるって」
淨弥君はそう言ってゆっくりとあたしを離す。
「星?」
「ん、ほら、上見てみ?」
淨弥君は優しく微笑みながら、空を指差す。
その指先を目で追うと、
「うわぁ………」
キラキラと輝く星はまるで宝石が暗闇の中で散っているようだった。
「……綺麗…」
ついつい見とれてしまっていると、
「椎と一緒に見たくて」
………え?
横から飛んでくる意外な言葉に驚く。
淨弥君を見ると、顔はわずかに赤く染まっていた。
「……あ、ありがとう…」
淨弥君が照れると、あたしまで照れるよ……。
「…あのさ」
「え?」
「星に、名前をつけない?」
淨弥君は頭を傾げながらあたしを見る。