男子校は危機百発ッ!☆→イケメン男子と恋しよう←☆





「いたた……」

顔面攻撃を大地に仕掛けたあたしである。



「大丈夫か?」

淨弥君はそう言ってあたしの側までやってきて、顔についてる土を手ではらってくれた。



「あはは……、久々に転んだ」

あたしは苦笑いしながら淨弥君を見る。



「転ぶなって言った側から転ぶって、全くドジなやつだな」

本当、しょうがないやつだなという顔で、淨弥君はあたしの頭を撫でながらそう言った。


「だって……」

早く、淨弥君の側に行きたかったんだよ。


どうか、目の前にある綺麗な瞳に

そんな気持ちを見透かされませんように



「……どうした?ぼーっとして」

淨弥君は不思議そうに頭を傾げる。




「えっ?!やっ、な、なんでもないっ」

慌てて下に俯く。


見とれてました、なんて、言える訳ないよ……。



「怪我、してないか?」

淨弥君はあたしの頭に手を置いたまま聞く。


「うん、大丈夫」

あたしがそうコクリと頷くと、

「立てるか?」

淨弥君は立ち上がり、あたしに手を差し延べた。



ドキドキしながら淨弥君の手に掴む。
大きな手にドキドキしながら、淨弥君にこのドキドキが伝わりませんようにって思った。


−−−−−−−………
−−−−−−………


淨弥君に手を引かれるまま、あたしたちは河岸にやってきた。

ゆっくりと地面に腰かける。


さっきから、なんの言葉も発してない。

淨弥君はあたしの手を握ったまま、月を見上げている。


そもそも、どうして、あたしをここに呼んだんだろ。