ドキっとまた心臓が反応してしまったので、急いで視線を逸らす。




ガラガラガラガラ



「みなさんおはよう。今日もいい天気だね」


白衣を着た佐田先生が教室に入ってきた。



いい天気だねって、朝ごはん食べる時もそんなこと言ってたなぁ。



「今日の夜は、星がよく見えそうだよ」


エンジェルスマイルでニコッと笑い、教員用の席に座った。


佐田先生ってやっぱり、こう、色っぽいなぁ…。
エロい雰囲気を漂せてる。


……看病してあげるよ……。

ふと朝先生に耳元でそう言われたことを思い出してしまった。



「椎榎さん?」

「…はい…はいぃっ?!」

せ、先生、
あなたいつからこんな近くに居たんですかっ。


すぐ隣の通路に立っていた佐田先生に驚いて間抜けな声を出してしまうと、教室の中が笑い声に包まれた。


「あれれ、まだ寝ぼけてるのかなー??」


そう言って、あたしが落としたシャーペンを拾って机に置くと、

「大丈夫ですか?顔赤いですよ?………準備室、……来る?」

みんなには決して聞こえないであろう小さい声で囁く佐田先生。





「だっ、大丈夫ですっ」

慌てて下に俯いた。



「本当?熱はないの?」

先生はしゃがんで、下からあたしの顔を覗く。


はぁ、本当整った顔してますわ……。



「…今、変なこと想像したでしょ?」

そしてクスッといじわるそうに目を細めて笑った。


「…そっ、そんなっ「早く朝のホームルームやってくんね?」


あたしの左側から飛んできた低い声。


左に振り向くと、

淨弥君は少し機嫌悪そうに机に肘を着いて、目を細めて先生を睨んでいた。