「ごっ、ごめんなさぃぃぃー!!」
あたしはそう言って急いで校舎内へ走る。
「おい!待てよくそ女!!」
ひぃぃぃっ!!
得意の逃げ足で急いで逃げる。
これほど全力で走ったのはいつぶりか。
……やってしまった、やってしまいましたよ盛大に!
あんな喧嘩強い奴を殴ってしまった!
復讐されたらどうしよう!
「キャァァー!!」
脳裏に浮かぶ恐ろしい数々の復讐を振り切るよう、大声で叫びながら玄関へ入った。(ただの不審者)
−−−−−−−−−−
事務室。
窓をノックすると、中から男の人が出て来た。
「あのー……今日から「君が大谷椎榎さん?」
いきなり話さえぎるなっ!
「あ、はい」
あたしは男の先生見る。
黒い髪で、優しい笑顔で、白衣を着たイケメンだった。
今日は運がいいなぁ。イケメン見まくりだわ。
「待ってたよ。一緒に教室へ行こう」
「あ、はい」
前を歩く先生の後に続く。
「僕は佐田裕也。理科を担当してるよ。と同時に、君のクラスの担任だよ。
仲良くしようね」
理科だから白衣か。
白衣の天使。なかなかよいではないか。



