「椎榎に抱きついたお前が悪いからな」
…なぜか胸がきゅンとした。
本当に胸がきゅンとした。
「はいはい、はいはい。
ハァ……。萎えるわ。顔洗ってくる」
靖杜は深ーいため息をついてから、ルームから出た。
宇津井はその後ろ姿を見て、
「……。」
勝ち誇ったような顔をした。
「あのケーキ、よかったの?」
だって、さっき、宇津井、
一生懸命作ってたじゃん。
「あぁー……、ん、えっと。
ん、まぁいいわ。痴漢防止のためなら、あんぐらい、対したことじゃねぇし」
頭をぽりぽりかきながら、少し頬を赤らめて、宇津井は言った。



