……俺が施設に入ってくる前から、アユミはここに居た。




アユミは、
静かで大人しくて、頭がよくて、ピアノが上手だった。


誰とも関わろうとしなかった俺に話しかけてきて、優しくしてくれた。




アユミは人気者だった。

男からも、女からも。



それでも、みんなと遊ぶことよりも、俺と喋ってる方を選んで、いつも俺と一緒に居た。





ヒロと俺とアユミはいつも一緒に居た。

俺達はすごく仲良くて、同じく、小学校も、中学校も一緒だった。




俺は、本当にアユミが好きだった。


いつからだったか、覚えていないほど。