――――――――― *淨弥side* ――――――――― 「ここ……」 椎をここにつれてきて、 全部話す。 そう、決めた。 ……裏庭にある、この大きな木の前で。 「…この木は、桜の木で。 今は冬だから、ただの枯れ木にしか見えないけど、こいつ、すごいんだぞ? 春になると、桜をいっぱい咲かせるんだ」 太い幹に触れながら、俺はそう言った。 「桜の木、かぁ……」 椎は俺の傍に来て、俺の真似をして、木の幹に触れた。