「いや、だって、淨弥だけずるいじゃん?なんか。 独り占めだしさ?」 靖杜がそう言うと、佐田先生もうんうんと頷き、 「分かります、その気持ち。 本当にずるいですよね。椎榎さんは一人だけのものではないのに」 ……え? ……あたしですか? 「…まぁ、でも、 椎は俺を選んだ訳だから」 淨弥は優しい笑顔で微笑み、 あたしの手首を引っ張り、 頭を自分の胸に押し付けた。 「…だから、好きなふうにしていいという、特権があるんです」