一度深呼吸してー……。


トントン

「大谷椎榎だけど、……入ってもいい?」

ドアをノックして、そう問いかける。



「あぁ!?お、おう!!」

宇津井の声がドアの向こうから聞こえる。

ドアを開け、隙間から恐る恐る顔を出す。


「お邪魔します」

「……お、おう…」

宇津井はベットの上であぐらをかいてた。


部屋に入り、ドアを閉める。


「……いいよ」
「……は?」

宇津井の顔を、まともに見れない。

だって、あんなところとこんなところを見られてもう恥ずかしすぎる……。


「……だから、…いいよ」

もうお風呂上がったから、好きなだけ自分専用風呂に浸かってくださいませ。


ところが、なかなか言葉が返ってこないので顔を上げると、

「……。」

宇津井はあたしを見ながら、口がポカーンと開いていた。


ん?
なんだ?