「お兄ちゃんの言ってることが難し過ぎて、全然分からないよ…」 男の子は眉を八の字にして、困った顔をした。 「…いつかは分かる。…ほら、母さんのとこに帰りな」 淨弥は優しい笑顔で、男の子の頭を撫でてから、 あたしの手を取り、歩き出した。 え、 ちょっとちょっと! 「淨弥、あの子ほっといていいの?!」 「…何が?」 「あの子、お母さんと一緒ぢゃなかったから、もしかしたら迷子とかだったらどうするの?!」