「はいっ、椎榎、あーん」 ぱくっ ………………。 ……………。 しばらく沈黙が続いたあと、 「……あぁーっ!!! ヒロー!!何してるのーっ!?」 唯抖の叫び声が食堂中に響いた。 宇津井はなんと、テーブルに身を乗り出し、唯抖があたしに食べさせるはずのアサリをぱくりと食べ、 そして平然とした顔で唯抖のスープのお椀を取り、中のアサリを全部自分のお椀に移したのだ。 「はい。これでいいだろ」 唯抖は宇津井から返されたお椀を見て、唖然している。