「唯抖、アサリ食べてあげようか?」


すごく好きって訳じゃないけど、嫌いでもない。

食べられるから、食べてあげよう。



「えっ?本当っ!?」


あたしの言葉を聞いた瞬間、唯抖の顔はパァーっと明るくなった。



「うん」



あたしが頷くと、

「じゃぁ、お願いねっ!!はいっ、あーん」


……唯抖はなんと、
スプーンを差し出して、あたしの口元に近づけたのだ。



彼の行動は全世界を驚かせた。(ってなんだよそれっ!)

いや、寮全体をしらけさせた。(うん、それでよろしい)



みんな食べるのをやめて、唯抖に注目していた。