好きな人なんて居ない。 ……みんなの前では、そうやって言うしかない。 ていうか、ある意味、 ……自分に言い聞かせてるだけかもしれないけど……っ。 「やったぁー!!」 「!?」 んなっ!? 靖杜はあたしの机の前へ来て、あたしの手を取った。 「ど、どしたの靖杜っ」 なんでいきなり手なんかっ! ていうか、今帰りのHRの時間だから勝手に立ち歩いちゃダメだろっ!! 「明日は俺とデートしてください」 靖杜はそう言って、さわやかにニコッと笑った。