「唯抖っ、椎榎から離れろっ」
宇津井はあたしから唯抖をはがして、あたしの左に立って、手を握ってきた。
「……俺ここ」
淨弥はあたしの右に立つ。
……うわぁ…
両手に花って、
こういうことなのかなぁ。
左に宇津井
右に淨弥
さっきから通りすがりの女子らにめっちゃ見られてるよ…。
「あっ、ずるー…。僕後ろでっ♪」
唯抖はニコッと笑って、あたしの後ろに立った。
「あっ!俺の場所ねぇじゃんっ!ったく。あっ!ねぇねぇ、君超可愛いね♪ちょっと頼みあるんだけど、写真取ってくれないかなぁ?」
靖杜は一人の女子高生に話し掛けてる。
女の子は目をうっとりさせたまま頷き、靖杜からカメラを受け取った。