「てか、雰囲気出てるね…」

とか言って、目をキラキラさせて笑ってる癖に。


全然驚いてねぇし。



少しは、…腕掴まれたり、抱き着かれたりと、…されたかったし。


マジ、空気読めよ。

んの馬鹿女。



ちっちぇ体してんのに、パンチの力は、ハンパネェこいつ。


その力はどっから出てくんのか不思議だ。



「宇津井……」

「あ?なんだ?」


椎榎を見ると、さっきの余裕の表情が消えていた。



「…あれ…」

椎榎が指差す先を見る。



「……。」

なげぇ黒のカツラを被って、白いワンピースっぽいのを着て、
顔見えない状態で立っている、女。(恐らく。まぁ中身は男だろ)



あれって、なんかのDVDで見たことある。



「……さ、貞子……」