「……宇津井…」
「……んだよ」
宇津井は目をつぶったまま答える。
「…ありがと」
あたしがそう言うと、宇津井は顔をあげて、こっちを見た。
あたしの言葉に、びっくりしてるみたい。
「な、なんだよっ、突然」
真っ赤になったその顔を見て、思わず笑ってしまった。
さっきまでの宇津井と、全然違う。
「……お化け屋敷、行こう?」
あたしはそう言って、床に座ってる宇津井に手を差し延べた。
「……っ、お、お前の手を借りなくても、立てるっつーの」
宇津井は自分で立ち上がって、あたしの頭をボサボサにした。
「……っ、」
なんだか恥ずかしくて、あたしは顔を赤くしながら下に俯いた。
「お前のその顔、他の奴に見せたら、…ぶっ殺すかんな…」