手に持っていたチラシが、床にパラパラと舞い散る。



「………っはぁ…はぁ…」


やっと唇を離してくれたが、唇にまだ熱が残っている。



宇津井はあたしの唇を親指で強く拭いた。


キスよりも露骨なその感触に、顔がカァーっと熱くなる。



「……宇津井…」

あたしは宇津井を見上げる。



ねぇ…

…どうして……?



「……どうして…?」

あたしは頭を傾げながら聞く。


目が、少し潤っている。



「……そんな顔、すんじゃねぇよ……」


宇津井はあたしを見て、自分の下唇を噛んだ。




「…キス……」

…どうしてキスしたの……?



「……キスがどした」

「……どうして…?」



あの――

――熱いキス