「おもしれぇー女っ!!ヒロにそこまで言うかぁー?」
面白そうにそんなことを口にする靖杜を見てたら、自然と口がポカーンと開いてしまった。
……あたし?
あたし、笑われてるの??
「ていうか、話聞いてると、ヒロ、椎榎に殴られたの?」
唯抖はびっくりした顔であたしたちを見る。
ていうかいきなり呼び捨てされた。
「……。」
赤メッシュ男はバツが悪そうに口元を押さえて、あたしから視線を逸らし、自分の席と思われるところへ向かう。
「……ヒロが女の子に殴られた」
佐田先生はおかしそうに笑う。
……なにがそんなに面白いのさ。
今どきの女子は強いんだぞ?!
赤メッシュ男は椅子に座り、ポケットに手を突っ込んで、こちらを見る。
その動きを目で追っていたら、うっ、目が合ってしまった。
「くそ女…」
……残念ながらあたしは地獄耳なのだ。
「くそ男…」
やられたらやり返す。



