「あ、靖杜だけずるーい!僕ねー、笹木唯抖って言うんだぁ!唯抖って呼んで!」
ささき、ゆいと。
ほんっと、子犬みたいに可愛いくて、母性本能をくすぐられる。
「皆さんよろしくお願いします」
一応、もう決まったことだから、……しかたな
「あのくそ女っ!!」
……くない!!
勢い良く開けられたドアのところで立っているのは、
「……えっ!」
さっき、殴ってしまった、あの赤メッシュ男だった。
男はあたしを見て、
「お前っ!」
こっちへドスドス歩いてきた。
「…っ!?!?」
なっ、なんでここにいるの!!
もう、これ以上来るなっ!
赤メッシュ男はあたしの前に立つと、
「フンッ。俺から逃げようとするなんて、百年はえーんだよ」
そう言ってニヤリと笑って、あたしを見下ろす。
「え、あ、あのっ「謝れ」
あたしの言葉を遮って、謝罪を請求してきた。