「…かすみさ、地球があって、行けるとしたらなにしたい?」

そう聞かれ目を向ければ本から顔を上げて真剣な目をしたかずと目があった。

「地球、でしょ?ちょっと待って」
「ん」

地球がもし噂通り、こんなに環境が悪くなくて、会わなくても話せるロボットみたいなのとかあるなら行ってみたいかもしれない。それよりも本当に地球は男と女は二人で一緒にいるのが普通なのだろうか。そうならかずと二人で行きたい。

「かずと一緒にいたい」
「……あ、そ」
「なにさっ」
「先に言うなよな」

そう言って横を向くかずは顔を赤くしていて、なんだかこっちまで恥ずかしくなっちゃって…。

「だめなのかよ、一緒じゃ」

なんて、素直になれなくて。

「気付けよな」
「そっちこそはっきり言ってよね」
「なぁ、かすみ?」

いつもと違うトーンで名前呼ばれたら、誰でもびっくりするもんだよね。
何かと思って(まあ、気付いてはいるんだけどね)目を合わせたら、今までこんなことあったかというくらい吸い込まれそうになって、ほんの少し怖くなった。

「…何?」
「ずっと一緒にいよう」
「うん」

私もそういうつもりだった。

「結婚しよう」

大好きな人にそう言ってもらえるのはとても嬉しくて、

「うん!」

思わず出てしまった涙を隠すように笑った。