この星で、って言っても私が知っている限りだけど、男と女が二人だけでいるのはありえないに近いほど珍しいこと。

「かすみさあ、次の大嵐来たらどうすんの?」
「どうしようかねえ」

珍しいと言うことは、普通と言われることがあるわけで。
大抵の人は、最低でも二人ずつの四人で一緒にいる。
聞いた中で一番多かったのは二十人かな。
そんな多いのは苦しくてたまらないっつーの。
そんな人達の集まりが、私とかず。
そういうとこから気が合った私たちはかれこれ五回の大嵐を一緒に過ごした。
その度さっきの会話を毎回繰り返しながら。

「まぁたそれかよ」
「悪いかぁ?」
「悪かぁねーけど」

もぐもぐ食べながらたくさんの文字が並んでる本とにらめっこしているかずを私は見ているしか出来ないけど、大勢でいるよりこっちの方が安心できるからつい口元が緩んでしまう。
さっきも言ったけどまったく勉強してない私はかずのにらっめこの相手ににらめっこする前に負けてしまう。
何書いてあるかほとんど分からないからだ。

「今日は、なんのべんきょ?」
「地球」
「地球って噂の?」
「ん」
「あるかどうかもわかんないんじゃないの?」

かずの言葉には驚かされることが多い。
今回もそう。地球なんて、そんな今は、無いのと同然の星のこと考えてどうすんだろ。

「そうだよ。でもはっきりしないうちに少しでも考えないと見つけた時大変なんだよ」
「ふーん…」
「だから今こうやって必死になってんの」
「ふーん…」
「そんな反応するぐらいなら聞くなっつーの」

そう言われればそうなんだけど、かず達の考え方はどうしても難しくて、そんな反応しか出来なくなってしまうんだ。
でも、いつか分かる時がくるのかな?