てがみ

学校近くのポストの前で、朝に篠原と会った次の日、学校は土曜日で休みだった。


「はよーっす」


2階にある自分の部屋から、階下へ降りたのは時計の針がもうすぐ2本ともてっぺんにくる頃だった。


休みはいいなぁ…
いくらでも寝てられる。


「もう昼よ、あんた寝過ぎ。脳味噌溶けるわよ」


母親が対面キッチンのカウンター越しに、苦笑いを寄越してきた。


「まだまだ寝れるぜ、俺。脳味噌溶けてもいー」


でっかい欠伸をしながら応え、ダイニングテーブルに腰掛けた。


「腹減ったぁ、飯まだ?」
「あんたいつ起きてくるかわからないんだもの、まだこれからよ」


そう言いつつも、目の前に湯気の揺れるマグカップが置かれる。
珈琲だ。


「待てる待てる」


カップに口を当て、珈琲をすすると何となく目が冴えてくるから不思議だ。


「今日はパパ出勤日だし、悠太(ゆうた)もさっさとバイト行ったから涼介だけなのよ…焼きそばの予定なんだけど」


そう言いながら、具はもう炒めてたらしい。
ビニールに入った黄色い麺を見せられた。
あ、悠太は俺の1つ下の弟。
通ってる学校もバイト先も、俺とは別。


「焼きそば、俺好きー」
「じゃあ大人しく待ってなさい」


ピンポーン…


よしじゃあ大人しく待つかと思った矢先、玄関のインターフォンが鳴った。


「今手が放せないから、涼介、出て」
「はーいよ」