てがみ

俺は帰宅部なんだけど、いつもいつも、飽きもせず美術館に通った。
まぁ友達をからかうのが目的なんだけど…


「リョー、あんま邪魔すんなよなぁ」


俺にからかわれる友達、安川 敏(やすかわとし)は、うんざりしたように時々俺を睨む。


やべ、からかいすぎたかな?
と、俺がちょっとひくと、にやっと白い歯を見せた。


「リョーはマジいいよなー」


おもむろに、一言。


「なにがさ」
「彼女出来たんだろ」


ギクッとしたような、ドキッとしたような。
そうなのだ…
バイト先で後輩に告られて、3日前から付き合っている。


「…いいだろ、妬くなよ」
「妬くだろ普通さー、てか彼女いるなら毎日来るなよここ」
「敏が寂しがるといけないからさー」


いつもからかっている奴にからかわれるのは異様に照れるな…
顎の辺りを掻きながらふざけていると、頭上からバラバラと何かが降ってきた。


「うぉっ、なんだ?」


びっくりして見上げると…
あ、俺は敏がキャンパスを置いている横に、使ってない椅子を引っ張ってきて座っていたのだけど。


「飴あげるから、あんたらちょっと声さげろ」


篠原だ。