名刺入れをジーンズのポケットにねじ込み、急いでテーブルを片づける。

今は業務の方に集中してないと!

「俺がやろうか?」

柊くんに声をかけられた。

「大丈夫だから」

彼に笑って返事すると、急いでその場を去った。

「お待たせしました」

呼ばれたテーブルに行き、注文を取りに行く。

「ダージリンティーと本日のケーキセットを1つ」

「はい、かしこまりました」

去って行くのと同時に、柊くんと目があった。

“大丈夫か?”

彼の目がそう言っているように聞こえた。

あたしは笑って答える。

彼の目に何かの“予感”を感じたのは、あたしの気のせいにする。