「もしかしてとは思うけど……男とか?」

ラーメンを戻しそうになった。

どうにかこらえ、あたしはラーメンを飲み込んだ。

「お、男?」

言葉は、わかっている。

「好きなヤツがいるとか」

あたしは、黙って口を閉じた。

好きなヤツ――浮かんだのは、虹の顔。

「やっぱり…」

「違うよ!」

あたしは思わず大声を出してしまった。

当然、周りから好奇心丸出しの視線を受ける。

あたしはうつむくと、何にもない顔をしてラーメンをすすった。