「すげぇ………。」
サトシがその光景に固まって、一言吐き出し、唾を飲んだ………。
バスケの正式ゲームができるコートが2面ある、ウチの体育館。
それを1コートずつ使って、男バスと女バスが、恐いほどの真剣な顔で練習している…。
その人数の多さにビビリ、さらには、バレーボール部が、ステージ上で、こじんまり練習しているのに、この中学のバスケ部の偉大さを感じ、ビビってしまった…。
こんな中で、モテる程目立つのは………
「無理だろ………。」
「かも………な………。」
僕とサトシの意見は一致した…。
モテたいとか、背が高いからいけるかもとか………
考えが甘い…………。
それを、一瞬で認識させられるオーラさえ、感じてしまった………。
「サッカーにすっか…?」
固まったまま、またも意味不明に提案するサトシ。
それに、
「あぁ。」
と、真っ白な頭で、やったこともないくせに返事を返す僕…。


