きみに見せたいものがある

入学式で既に恨みかけた僕の人生には、当然のように、


“モテる”


という時期は無かった。



「ムッツリ考えてねぇで、とりあえず見学だけでも行ってみない?」




ムッツリ考える。の意味は解らないが…

サトシの言う、モテる。という意味はなんとなく分かった。



「しょうがねぇなぁ…。
付き合ってやるよ…。
どうせ来月まで決めりゃ良いんだろ?
とりあえず見てみっか!」




自分はあくまで仕方なく。だぞ?



仕方なく。



仕方なく、サトシに付き合うだけ。



そうアピールした僕の心の中は、めちゃめちゃ乗り気だったのは言うまでもない…。



それどころか、この身長を生かしたら、結構やってけるんじゃないか?…とか、思っていたのは、サトシには秘密だ…。      



表面嫌々、仕方なく。

内面、めちゃくちゃ期待して。



僕はサトシと放課後の体育館へ向かった。



バスケしたらモテるとか、サトシの方がムッツリだろ?とか、考えながら……。





そうして向かった体育館で見た光景に、僕達は少し、いや、かなり、恐れ多さを感じた――――