きみに見せたいものがある

残念ながら、どうもクラスメイトにはなれなかったみたいだ…。





見た目、雰囲気、どれをとっても
“さっちゃん”
は、いない。



名前も知らない。

昔の記憶しかない。


でも、ここにはいない。


それは、分かった。




僕は、式でも
“さっちゃん”
を探した…。



異常なほど、下の名前を先生達が呼ぶのに集中して聞き、『さ〜』と聞こえるたびに、

「はい。」

と、立ち上がる女子に目をやった…。




しかし……






悲しいかな…





僕の名は、渡辺ひろあき。




五十音順の座り位置…



当然後ろの方。




と言うか、一番後ろ。





どんなに立ってくれても、『さ〜』の






後頭部しか見えねぇじゃねぇーかっ!!!