「おう!ひろあき!見ろ見ろ!オレ等同じクラス!」
「マジか!やったなぁ!」
――――。
サキコ、サチコ、サオリ、サナ、サユリ、サトコ、
サツキ、サキ、サトミ……
さっちゃん……
君の名は…?
僕は、ホールに張り出された各クラスの女子の名前で、“さ”の付く名前を探した。
「…多いだろ…。」
「そりゃそうだろ!5校集まんだから!(笑)」
つぶやく僕にサトシが間違った突っ込みを入れる。
そうじゃなくて…
という言葉は飲み込んだ。
「確かに………。」
そう、言っておいた。
どんなに思い出しても、君は
“さっちゃん”
で…
先生までそう呼んでたし……………。
多過ぎる。
同じクラスだけで、4人も“さっちゃん”
が、いる…。
顔を見たら解るか!
と、開き直ってみたけど、僕だってあの頃のチビデブじゃないのと同じに、
小さくて、目が大きくて、長い髪を二つに分け、三つ編みしたかわいい
“さっちゃん”
とは限らない…。
でかくなってるかもしれないし、
太って目蓋に肉が付いて、目が小さくなってるかも。
髪型に於いては、なんてったって自由…
坊主はさすがにないだろうが、ベリーショートとか、あるいは…
アフロ!?パンチ!?
………それはないか。
解らなくなってるかもな…。


