きみに見せたいものがある



「ちょっ!ひろあき。」


「んあ?」



「ワリィ、100円貸して。
学年章付けてくるの忘れた。購買で買ってくるから貸して!ちゃんと返すから!」




「あぁ、ほれ…。」





「サンキュ!ちょい待ってろよ?一緒に行こーな!
一人じゃオレ、緊張して初日から死んじまう!」




「馬鹿か。
待ってるからとっとと行ってこい!早く帰ってこいよ!」



「あー!ワリ!」







“…………早く帰ってきて下さいよ?”



(100円じゃ寄り道できねぇだろ…
さっちゃん………笑)









「ワッリ!待たせた!
―――って……。」


「何?」




「っだから!
なんなんだよお前!
朝からニヤニヤニヤニヤ。気味ワリィぞ?
知らねぇ女に出会えるからってか?このムッツリ!」






そう。





この中学は、此処いら周辺の小学校5校が集まる…。




同じ小学の女以外の、他の小学の女…。






僕の通った小学以外の、他、4校…






その中に、





君がいるから。




さっちゃん――――