あの子の名前は… 分からない…。 どうせぼくなんか。 どうせ…。 と、卑屈な幼稚園児だった僕は、 きっと、周りに壁のようなものを感じ、 自らも、周りに壁を造り… 人のことを知ろうという努力に欠けていた…。 とりあえず声を掛けてみよう。 そう思えたのは、突然声を掛けてきて、僕を貧乏なサラリーマンパパにした、 あの頃の 君だ―――。